空くもりひとりさびしくあけぼのにさくらさきしをみてありにけむ
いまはたださんびきの鶴のならびゐて、動かざりけりあけぼのの公園
うつくしき鳥はおりにてキキとなく、まことうれしき春の太陽
紅椿あまたさきけり、雨のなかしんぼりぬれてひとりみかへる
あおあおとみそら高くすつきりと大樹動かずあまた立ちたり
樹々ゆれず空にすつきり立ちており春のまひるの静かな公園
樹の根をばふみてのぼりぬ、小高き山にわれひとりなり、麗春
起きいづれば家の軒端に照りかへす陽をみる朝のよくもつづきし
鐵道の線路にひとつうつくしき花を見にけりなんの花かも
かへりみちあまた乙女とすれちがひ、みかへりたれば赤き落日
この心わが悲しみをとこしえにまもりてひとり春をまつかな
めのまへに赤くちいさき實のあまた光るなりけり春の午後かな